高頭町の人々
Part_2

山田 加寿麻

移住年 ・2024年 // 出身地・東京都 // 職業 ・会社員

三世代で暮らすことの意味

高頭町の人々、第2回目は2024年の秋からこの町で暮らし始めた山田加寿麻さんです。
町の入り口に位置する山田さんのお宅は、古くから高頭町を守られてきた由緒あるお宅ですが、これまで加寿麻さんは高頭を離れ都内で生活されていました。

昨年ご尊父の山田清貴さんと共にご実家を二世帯住宅へ建て替えたのを機に、奥様息子さんと一緒に高頭へ移住されました。
都会暮らしが長かった加寿麻さんと奥様。前回の平賀さんや今回の加寿麻さんたちのような小さなお子様を持つ子育て世代の移住者は、この町の未来を担うとても重要な世代なのですが、都会からの移住は中々にハードルがあるようにも思えてしまいます。
今回は都市部と地方の暮らしや子育ての違いを中心に聞いてみたいと思いインタビューさせていただきました。

__今日はよろしくお願いします。お二人の出身どを簡単に教えてもらえますか?

加寿麻さん(以下、加寿麻)  僕は東京で生まれましたが、小学から高校までをこの高頭で過ごしたので、戻ることには全く抵抗はありませんでした。

(奥様)  私は佐渡出身なんです。新潟の大学を出て結婚を機に長岡へ引っ越して来たので全然都会人ではないですね。

__お二人とも地方育ちだったんですね。であれば田舎の環境などには抵抗感は少ないですよね。でも逆に地方出身だからこそ都会で暮らしたいという人もたくさんいると思いますがそのあたりはいかがですか?

(加寿麻)  確かに僕も妻も特別自然に囲まれていないと嫌だというほど田舎が好きなわけではないですね。
アウトドアが趣味とかでもないですし。
かといって今からこの先も東京にいたいかと言われるとそうでもないですね。

(奥様)  私は虫が嫌いで…新しい家なので屋内ではほとんど見ないのが救いですがそこは心配でした。

__そうなんですね。お二人とも積極的にこの場所を選ぶ理由も無いように感じますね。ここで暮らすことを決めた理由は何ですか?

(加寿麻)  子育てです。あくまで現時点での話ですが、仕事の都合上僕は東京と長岡の二拠点生活をしているので、どうしても平日に子育てに参画するのが難しいんです。

__そういうことでしたか。ご両親が近くにいる安心感は大きいですよね。

(奥様)  助かっています。子供もおばあちゃんが好きなので引っ越してきて良かったと思っています。
この環境で育つことは、私一人の手で育てるよりも子供にとって良い影響があると思いますね。

__しかしこうして見ていると加寿麻さんも本当にお子さんが好きなんですね。今だけとはいえ週末しか会えないのは寂しいですよね。

(加寿麻)  毎週末が待ち遠しいです。笑
最近はよく散歩に出ますが、(高頭は)良いところだなと感じています。

お子さんは今は週末しか合えない加寿麻さんにベッタリ。でも子供は逞しく、もうお別れで泣くこともないとのこと。

面倒見のいいお母さん。加寿麻さんたちが来てくれたことで、生活のリズムが良くなったそう。
生活空間がしっかり分かれている二世帯住宅ゆえお互いのプライベートもしっかり守られている感があり、同居によるトラブルも起きづらそうな印象を受けました。家族とはいえお互い心地の良い距離感はとても大事ですよね。(あくまで筆者の考えです笑)

子育てがしやすい長岡市

__奥様へ質問です。今保育園には通われていないとのことでしたが、日中はお子さんとどう過ごされていますか?

(奥様)  私もよく近所を散歩したりしています。でももちろんそれだけではなく市内の施設を利用させてもらっていますよ。
図書館や「ぐんぐん」とか「てくてく」とか。長岡市はそういう施設が充実していると感じています。ここからも車を15分ぐらい走らせれば行けるし不便は無いです。

あとはやっぱり疲れた時にはおじいちゃんとおばあちゃんに助けてもらっています、

ご両親の住む階での取材でしたが、リビングに目をやるとたくさんの玩具が。核家族が普通になって久しいですが、ご両親を含めた拡大家族のメリットはたくさんあるなと取材を通して感じました。

__市内に子供を遊ばせる場所は充実しているとのことですが、足りないと感じる施設などはありますか?

(加寿麻)  あくまで高頭とか中山間地での話ですが、保育園と老人ホームが一つになった施設なんかがあっても良いのではと思っています。子供たちとお年寄りがお互いに近くにいることで双方にとって良い影響があると思うし、送迎などの面でもメリットが多いと思います。

__それは名案ですね!小さなころから世代を超えた交流を自然に図れるのは素晴らしいですし、お年寄りもきっと生活が楽しくなると思います。

(加寿麻)  もしかしたら職員の負担軽減のようなメリットもあるかもしれないですよね。
あとはシンプルにバスが欲しいけど難しいでしょうね。

__早く自動運転が始まってほしいですよね。

勤務先では企画などの仕事もされているという加寿麻さん。物事への鋭い洞察が印象的でした。

お宅の裏山は定番の散歩コース。撮影した時期は紅葉がきれいな晩秋でした。

おばあちゃんも一緒に

__こうして歩いてみるとお庭も大きいですね。

(加寿麻)  昔からある農家の家ですからね。土地は広いです。
ここへ来てから妻も家庭菜園に興味が出てきたみたいです。今は両親が中心に畑をやっていますが元気なうちに色々と教えてもらおうと思っています。
私もこれからピザ窯を作って週末には息子とピザを焼く生活をしたいです。

__田舎暮らしの先生(ご両親)が近くにいるわけですもんね。
今日は三世代で暮らすことの意義をたくさん感じさせられました。ありがとうございました。

(加寿麻)  ありがとうございました。

山田加寿麻

東京生まれ長岡育ち。幼少期は学校に通いながら実家のたばこ畑を手伝う生活をしていた。大学を卒業後、現在はメーカーにて企画やマネジメントを担っている。休暇の際には全国の温泉巡りを楽しんでいる。